2015年3月13日
NPO法人ハックの家
竹下 美恵子 氏


 竹下美恵子氏プロフィール
 昭和41年4月 盛岡文化服装学院就職
 昭和43年3月 同学院退職
 平成 8年6月 福祉作業所ハックの家設立
 平成19年3月 特定非営利活動法人ハックの家設立
 平成21年6月 特定非営利活動法人ハックの家理事長就任


誰もが普通の暮らしができるように

 平成8年、当時田野畑村には障害者福祉施設は無く、障害者は家にこもっている現実を見て、何とかしたいと考えた竹下美恵子さんは、無認可団体福祉作業所ハックの家を立ち上げた。活動の10年目を迎えた平成19年3月NPO法人を取得し、現在は裂き織りの制作やパンの製造販売、水産加工の受託などで、障がい者に働く喜びと生きがいを提供し、34人もの施設利用者が毎日をいきいきと従事してしている。そんなハックの家は、いつもみんなの笑顔が絶えない場所だ。

裂き織りの工房。バックや服を制作。
ハックの家はここからスタートした。
田野畑牛乳を使用したパン工房。小学生にパン作り体験なども行う。 切り出した木で、暖房用の薪をつくる。屋外でも様々な作業を行う。

 
おかあさんと呼んで
現在のハックの家を中心になって
盛り上げている竹下敦子施設長(中央)

 私が、「理事長」とお呼びすると、「そんな呼び方しないで(笑)、私はおかあさんでいいのだから」と、言われてしまう。そして、ハックのおかあさんは若い人たちが動いているのを陰ながら応援するのが、私の役割だからと、決して表に出ようとはしない。しかし、そのおかあさんの意思を受け継いだお嬢さんの竹下敦子施設長をはじめとするスタッフ達が若いエネルギーでいろんな発想やアイデアを形に変えてはハックの家を盛り上げている。「人を育てる」ということはこういうことなのだ、と、私もおかあさんから常に学ばせていただいている。私たちが訪問する機会があると、おかあさんは先に立って食事を用意したり、おみやげを持たせてくれたりと、とても細かな心遣いをしてくださる。この温かく謙虚な人柄がいっそう多くの人の心を集めるのだろう。


震災を乗り越え、生まれた多くの絆

 
田野畑も受けた甚大な津波被害
2011年3月11日の東日本大震災では田野畑村も未曾有の津波被害を受けた。ハックの家は直接の津波被害はまぬがれたが、利用者の働き先であった水産加工場は壊滅状態となった。震災直後、ハックの家は避難所として地元住民に開放し、支援物資を集めては被災者に配布するなどして、竹下さんをはじめとするスタッフ達は不眠不休で活動し続けた。そんな中、2011年4月末、「田野畑の福祉施設で、パンの販売先が津波で全滅してしまい、利用者さんにお給料が払えなくて困っているそうだ。」と、県立大学の教授から私に相談の電話が入った。私がハックの家の存在を知ったのはその時が初めてだった。自分自身、何か支援行動を起こしたいのに何をしたらいいのだろうかと悩んでいた時の電話だった。ならば、そのパンを盛岡で売ろう!
利用していた水産加工場も壊滅状態に
と、ちょうどゴールデンウィークに盛岡で開催予定だった復興支援イベントでのパン販売企画を即決した。当日まで竹下さんとお会いする機会もないまま、電話だけで段取りが進められたが、賛同した仲間や他県からのボランティア支援者たちとも協力して販売を行い、 イベントではとても多くの方に購入していただくことができた。本当に感動の一日だった。当時報道される被災地は大きな地域がほとんどで、人口3800人の小さな村の報道はめったにされなかった。ならば、私たちの小さな力なりに、田野畑を支援していこうと盛岡地域夢起業塾の仲間たちと一致団結し、支援物資をハックの家に届けたり、利用者さんの震災後初めてのお買い物ツアーの同行を行ったり、田野畑でのハックるまつりの開催を行った。さらにはNPO桜onプロジェクトとの交流も始まり、田野畑に120本の桜の苗木を植樹したりと、今でも交流の輪はどんどん広っている。それは、竹下さんが築いてきたハックの家という場所が、誰でも足を運びたくなる、心安らぐ、ユニバーサル社会の確立された空間だからなのだと思う。人と人との出会いの不思議、魅力、そして、誰もが普通に暮らす幸せや感謝の心、謙虚な心、いろんな事を竹下美恵子理事長は私たちに教え続けてくださる。そして、これからも彼女を通して、様々な絆が生まれていくのだろうと思う。

見やすく並べられた支援物資の衣類 地元の住民で賑わうハックるまつり 震災後初めてのお買いものツアー




特定非営利活動法人ハックの家

裂き織やパン工房整備による食パンの製造販売などに取り組み、障がい者に働く喜びと生きがいを提供し、社会移行と自立を促している。現在、施設利用者は34名(15年4月から36名)。障害児の放課後児童デイサービスも行っている(登録22名)。

〒028-8407 岩手県下閉伊郡田野畑村菅窪20-2
特定非営利活動法人ハックの家
FAX 0194-34-2773
E-mail toiawase@hakkunoie.com
(人手が足りずお問い合わせへのお返事が遅れがちとのことです)
URL http://hakkunoie.com/


ハックるフェア in 盛岡

このハックの家をシンボルに、復興支援イベント「ハックるフェア in 盛岡2015」が開催されます。ハックの家で作られた製品や食品を中心に、沿岸商品と地元商品なども販売されます。収益の一部は、田野畑コミュニティー再生事業に寄付される予定です。

日時
会場

主催
お問合せ

関連リンク
2015年4月10日(金)11日(土)10:00~16:00
ゆめさとTown
盛岡市西青山2-2-1(にしけいさつ向)
ハックるフェアin 盛岡実行委員会
オネットマーケットプラン(株)
019-698-1216
http://hakkurufair-morioka.jimdo.com/

参考リンク
5/3は盛岡大通りへ行こう
盛岡地域夢起業塾  
桜onプロジェクト
http://www.jyosi100.com/blog/2015/03/03/
http://www.yume-kigyo.com/
http://sakura-on-project.jp/



 いわてに活きる人について
 特集いわてに活きる人では、オネットマーケットプランがこれまで関わってきた、または現在も関わらせていただいている方々の中から、岩手県内で夢や志を持って活躍されている方々を代表の小野目線で皆様にご紹介させていただきます。掲載させていただいている方についてのご質問・ご依頼等がございましたら、オネットマーケットプランまでどうぞお気軽にお問い合わせください。





特集 岩手に活きる人 >>ページトップ >>サイトトップ >>過去の掲載 >>いわてに活きる人について


オネットマーケットプラン株式会社
〒028-3601 岩手県紫波郡矢巾町高田10-60-18 TEL・FAX 019-698-1216 
お問い合わせ
Copyright 2014 ONET MARKET PLAN Co,Ltd All Rights Reserved.